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1日5分! 足指を伸ばすだけの体操
背筋が伸びて美しい姿勢に歩き方が きれいになります。
体が軽くなって足腰が20歳若返ります。

ゆびのば体操のやりかた

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1.座って片足を 太ももの上に乗せる。
(イスに座ってもOK!)

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2.足指の間に反対側の手の 指を入れ(右足なら左手で) ふんわりとやさしく握る。
根元まで手の指を入れない。

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3.手の甲を曲げないで、 脇を開く感覚で足の裏側を やさしくのばし5秒キープ。

4

4.手の甲を曲げないで、 脇を閉じる感覚で足の甲側を やさしく伸ばし5秒キープ。

③と④を交互に行い 逆の足も行う。
両足で5分 (15~20往復) ほど。これを目安に 毎日続けます。

ゆびのば体操は、椅子に腰掛けても、床に座り込んでも出来ます。
下記の写真のように足指のつかみ方に気を付けてください。

足指のつかみ方

①手の指の根元(赤丸)で写真では右手で

②足指の先(赤丸)を写真では左足をつかむ

③それぞれ合わせて入れていきます(右手と左足・左手と右足)

④足指にはすき間が空くように

医師が開発した
矯正五本指ソックス

「至適圧」構造で特許取得済

履くだけでゆびのば体操が出来る 「ゆびのばソックス」 (有限会社みらいサポート製) を使用すれば、スポーツや外反母趾の矯正、ひざ・腰の痛みにも効果的です。
足指袋の特殊な構造により変形した足指をきちんと伸ばし、快適な足指圧になります。

監修について

ゆびのば体操考案・監修:
今井一彰 みらいクリニック院長
内科医・東洋医学会漢方専門医・NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長
みらいクリニック(〒812-0013 福岡県福岡市博多区博多駅東1-13-31-6F)
内科・アレルギー科・リウマチ科

■みらいクリニックに持ち込まれた難問

福岡県筑後地方保育士会 の保育士の先生方から持ち込まれた数百の子ども達の足型は、先生方の保育園児さん達の運動機能を高めたいという思いが詰まっていました。
その膨大な足型を前に私は戸惑いを隠せません。でも子ども達を元気にするために何とかしたいという思いに動かされました。
保育士の先生方に負担をかけず、簡単な方法で子ども達の運動能力を高めたいという難題から始まったゆびのば体操。
福岡県筑後地区の保育園の方々と一緒に一年以上かけて行われたチーム会議、調査は子ども達の笑顔で終わることが出来ました。
ゆびのば体操の導入は、縄跳びの回数が飛躍的に増えたり、その場で跳び箱を跳べるようになったりと子ども達のめざましい変化をもたらしました。

縄跳びの練習を特別したわけではなくて、屈み指(屈指症)など足指の問題を解決した結果なのです。
次に5歳児を約40名ずつに分けて、ゆびのば体操群と何もしない群に分けて「ジャンプ」「行進」「しゃがみ」の巧技変化を見ていきました。
ゆびのば体操を取り入れた群では、すでに二ヶ月の時点で取り入れない群と比較しても、スタート時と比較しても統計上有意差を持って改善しました。
そして半年の調査期間終了後にはほぼ全員がうまいジャンプが出来るようになりました。この結果を受けて、足指を優しく広げて伸ばしていくと子どもの運動能力が改善することがわかりました。
それを大人にも使えるようにと工夫、改良したのが足指ストレッチの「ゆびのば体操」です。
足腰の不調のある方には最適です。
大人も子どもも自分でも、そして他の人へもやって上げることが出来ます。

ゆびのば体操で、どうして一瞬で体が変わっていくのかとても不思議です。
手や手の指が自分の体よりも小さめの手袋やミトン(鍋つかみ)のようなもので動きが遮られたらどうでしょうか。
とても不便ですし、もしかしたら骨が変形していくかも知れません。
スマホ指で検索するとスマホの持ち方により、手の小指が変形したり、腱鞘炎になったりします。
足指も同じなのです。足指は、足に合わない靴や靴下、ストッキングで常に力がかかった状態で変形させられていきます。
そのために足指の機能、関節機能が阻害されてしまいます。
足指のグー、パーが出来ないというのはその表れです。
手足の指は、曲がる力の方が強く、広げる力は弱いのが普通です。
ですから、何もしないとドンドン曲がっていきます。
ゆびのば体操で、曲がりつつある足指を伸ばして矯正する(ストレッチする)と、脚と床の接地面積が広がります。
カメラの三脚の脚の幅が広がっていた方が安定するのと同じです。
私たちは、両方の脚に一つの三脚(三つのアーチ)を持っています。
それらの機能を復活させるのが足指ストレッチの「ゆびのば体操」なのです。

効能TOP

効能について

肩も腰もひざも!「ゆびのば体操」で全身が健康になる‼
既刊『足指のばし』(かんき出版、みらいクリニック院長 今井一彰著)より

ひざ、股関節、肩、顔まで!
全身をゆがませる小指

 ひざであれ、腰であれ、必ずしも〝痛い場所〟が悪い場所とは限りません。
 痛いところだけに目がいきがちですが、痛みを発生させる根本的な原因があるはず。その発生源に働きかけなければ、痛みは必ず再発します。
 何度もお話しているように、小指の変形は全身に影響していくのです。

 どのように影響するか、流れに沿って説明しましょう。
 たとえば、O脚なら内反小趾により、すねの骨が外側に倒れていきます。
 このとき、ひざとひざの間も広がっていくのですが、ひざ関節は前後にしか曲げ伸ばしできない可能性の低い構造なので、すねの骨が外側に倒れると対応しきれず、ひざの内側に痛みが発生しがち。
 その影響は股関節にも広がっていきます。ひざが外側に広がるため、股関節も外側に引っぱられてしまい、股関節にまで痛みが生じてしまうのです。
 また、O脚でどちらかのひざの変形がひどいと、左右で脚の長さが変わってきます。こうなると、歩くたびに上半身は左右に揺れますね。
 上半身が揺れると、痛みは方から首へ広がります。
 姿勢も悪くなり、全体のブレを調整しようとして眼精疲労が起きたり、頭痛を引き起こしたり、肩や首、頭への負担は血行障害を引き起こし、顔にまで影響してきます。
 まさに「負の連鎖」。
「たかが小指」が倒れたことで、最悪の場合、手術を勧められるほどの全身のゆがみ・痛みを生じさせるのです。
 この章では、まさか「小指」が原因とは思わずに起こった症状と、「ゆびのば体操」での改善例をご紹介していきます。

姿勢 ねこ背・反り腰が治る!

 体に余計な負担をかけないためには、姿勢が大事。
体に痛みがある方は、まず「まっすぐ立つ」ことから始めてみましょう。
 自分の姿勢にゆがみや傾きがないか、鏡を見てください。
 肩が上がっていたり、頭が傾いていませんか?
 わかりにくい人は、前・横・後ろ姿の写真を撮ってもらいチェックしてみましょう。
 思った以上に体が傾いていて、驚くかもしれません。

 悪い姿勢としての代名詞とも言える「ねこ背」「反り腰」ですが、これも足指の崩れが原因のことが少なくありません。
 ねこ背も、反り腰も、「浮き指」「かがみ指」で重心がかかと寄りになっているのを補おうとする「姿勢の反射」と言えます。

 胸を張り、おへそを前に突き出す「反り腰」は、一見、姿勢がよいように見えますが、もともと骨盤が後ろに倒れている日本人には無理な姿勢です。
 反り腰を続けていると、筋肉の慢性疲労につながり、腰痛やギックリ腰の原因にもなります。
 次ページの写真は「足指の痛みがある」と来院された50代の女性です。
 背中が湾曲したひどい反り腰で、足指は「内反小趾」。そこからくる姿勢の悪さが、痛みの原因とわかりました。
「ゆびのば体操」を指導してから3カ月で痛みは消え、まっすぐ立てるようになりました。
 次に、下の写真を見てください。腰痛で来院された70代の女性です。
 左肩が下がっており、腰の痛みを訴えていました。足元を見ると、小指は、みごとな「寝指」。さらに、バッグを常に左肩にかけていることも左肩が下がる原因でした。
 まずは、毎日「ゆびのば体操」をしてもらい、バッグも片側ばかりにかけないように指導したところ、1カ月後には、かなり左右のバランスが整い、痛みもきれいに消えていたそうです。
姿勢と痛みの関係は、切っても切れないもの。
 痛みがある方は、まず姿勢。その原因となる足元の状況を確認してください。

腰 ヘルニアの痛みが消える!

 足指の変形が連鎖的に腰痛を引き起こした例を紹介しましょう。
 50代の男性は椎間板ヘルニアによる腰痛と診断され、地元でも有名な整形外科に通われていたとのこと。
「ヘルニアですね、経過を見ましょう」と診断され、ビタミン注射や腰の牽引、ホットバック(温湿布)を続けて2カ月、まったく改善が見られず、ひどいときは50メートルも
歩けないほどの痛みで、タクシーで仕事と病院に通う日々だったとか。
 ほとほと困り果てて、みらいクリニックに来院されたのです。

結論から言えば、この腰痛、ヘルニアによるものではなかったのです。
 椎間板ヘルニアとは、椎間板の変成で組織の一部が飛び出す症状です。男性のMRIの画像には、確かにヘルニアはありました。
 ところが、実は、ヘルニアが直接痛みを発生させているとは言えません。
必ずしもへルニアが痛みを引き起こすわけではなく、体のゆがみにより起こる関節の障害であるケースも多いのです。
 実際、腰にまったく痛みのない健常者でもヘルニアを持つ人は非常に多く、痛みやしびれとの関連はないという研究結果が国内外で報告されています。

 この男性に「ゆびのば体操」と「ゆびのばソックス」の着用を指導したところ、なんと1週間で痛みは引いていきました。
 その後もストレッチを続けて、ひもをしっかり結んだスニーカーで歩いているため、腰痛は再発していません。
 このように、セルフケアで症状が改善していく例が少なくありません。
 椎間板ヘルニアが見つかっても、必要以上に心配することはないでしょう。

腰 脊柱管狭窄症は手術を待って!


 腰痛は20~30代での発症も珍しくありません。年をとったから増えるわけではないのです。
最近特に多いのが、脊柱管狭窄症です。発症すると、脳から続く脊髄を守っている脊柱管が狭くなり、足腰のしびれや歩行困難が生じます。
これも椎間板ヘルニアと同じく、MRIの普及で見つかりやすくなった症状です。
クリニックにも、「整形外科で手術を勧められたが怖い」と、相談に来られる方がたくさんいます。

離れて暮らす私の父も、脊柱管狭窄症と診断され、手術を決意していました。
しかし、MRIの画像を診てみると、それほどひどい狭窄ではありません。
父には再度しっかりと「ゆびのば体操」を教え、靴ひもをきちんと締めることを徹底してもらいました。すると、3カ月も経たないうちに、嘘のように歩行時のしびれや痛みは消えていったのです。
今では薬も飲まず、ゴルフを楽しみ、日課のウォーキングを続けています。

脊柱管狭窄症も、ヘルニアも、すべり症(腰椎の変形)と呼ばれる腰痛も、足指が原因の「ねこ背」や「前屈みの姿勢」で発症する方は本当に多いのです。

もちろん、手術が必要な場合もあります。それでも、手術の前に、セルフケアでできることはあります。
あせらずに、まずは足指を伸ばすことから始めてみましょう。

ひざ 重~いひざ痛がパッとなくなる!

 ひざ痛でお悩みの方は本当に多いですね。薬局には軟骨成分を補うサプリメントや、痛みを和らげると銘打ったサポーターなどであふれています。
 それもそのはず。階段の昇り降りのときなどは、ひざには体重の2~3倍の重さがかかりますが、足首や股関節に比べて可動域が狭く、体重を逃すことができないため、他の関節と比べて痛みが出やすいのです。

 10年前に変形性ひざ関節症と診断された74歳の女性は、「ひざがコンクリートで固めたように重い……」と、杖をついてツラそうに来院されました。
 足指を診てみると、かがみ指で、浮き指。
 この足指の変形によりひざの軟骨が片減りし、痛みが発生していたのです。
 さっそく「ゆびのば体操」で足指を伸ばすと、その場で親指が地面に着くようになりました。これだけでもバランスが取れて、歩きやすくなります。
 2回目の受診では杖がいらなくなり、痛みもひいていました。

 60代でひざ痛に悩む女性も「ゆびのば体操」と「ゆびのばウォーク」(5章)で、歩く速度が変わりました。背筋が伸びたので、一気に若返って見えます。
 正座ができない、階段が苦痛といった症状も、足指を伸ばして歩くことで早ければ3カ月、長くても半年ほどで痛みが収まります。

ひざ痛のある方は、特に歩き方の改善がオススメです。ラクになった状態で歩くことが大切なので、サポーターを着けて歩いてもよいでしょう。
 歩行は何よりも大切なエクササイズ。ひざ頭が自分の正面に向かって動くように歩いてみてください。地面から足が離れるときに、親指で地面を押す感覚が味わえるはず。そうすると、ひざへの負担がぐっと減ります。

脚 O脚が治るのは当たり前の光景

 街で人が歩く姿を見ていると、O脚(ガニ股)の人が目につきます。
 特に雨の日や寒い季節に長靴やブーツになったときは、それまで以上にO脚が目立つのです。
 O脚で悩む方は多く、女性は、見た目がとても気になりますよね。
 左ページの写真は、30代の女性です。足指は重度の内反小趾で、O脚がかなり進んでいました。
 5分間、足指を伸ばすと、すぐにひざ、ふくらはぎの距離が近くなりました。
「ゆびのば体操」を続けて履くものに気を配ると、数カ月で知らぬ間にひざがつくようになります。
 O脚の治療はあまりにも「当たり前に治っていく」方が多いのです。

脚 むくみ・下肢静脈瘤が解消する!

 むくみの大きな要因も足指を考えられます。
 足裏の筋肉とふくらはぎは、密接に関係しています。
足指の動きが悪いと、ふくらはぎの筋肉が十分に収縮せず、上体に血液を押し返せない(血流障害)ため、余分な水分や老廃物が溜まります。
 これが、「むくみ」の正体です。

 ふくらはぎの筋肉がけいれんする「こむら返り」(足のつり)も、ふくらはぎの血流の悪化で起こります。睡眠中のこむら返り、痛いですよね。
 特にストッキングや加圧タイプのタイツを履く方は、足指の動きが制御されるため、要注意、帰宅後や就寝前に「ゆびのば体操」を行ってください。
3分やるだけで、不快なだるさ、むくみが軽減し、足のつりが防げます。

 ふくらはぎの血流が悪化すると、血管が劣化する「下肢静脈瘤」を発症することも。痛みなどはないものの血管がボコボコと脚に浮き上がり、見た目が大きく変わります。女性に多い症状で、クリニックでも「ふくらはぎを見せたくない」「スカートを履けない」と気にされる方がたくさんいらっしゃいます。

 みらいクリニックに来た70代の女性は、下肢静脈瘤がふくらはぎ後部だけでなく前部にも発症し、かゆみがひどく、正座もできない状態でした。
 足指は、みごとな「かがみ指」。かなり重症だったので、こまめに足指を伸ばしてもらい4カ月後、デコボコに浮き上がっていた血管に引っ込み、かゆみもなくなりました。歩くのも、正座も楽になったと感激しておられました。
 足指を伸ばして血流を改善し、キュッと引き締まった足首と、スベスベのふくらはぎを取り戻してください。

足 冷えがなくなり、足先ポカポカ!

 ふくらはぎを動かす運動ではよく、かかとを上げたり下げたりしますよね。
 5章で紹介する「ゆびのばウォーク」の小股歩きは、まさにこの動きの連続です。
 小さな歩幅で、地面を押して蹴り出すことで、ふくらはぎのミルキングアクション(乳搾りのように伸び縮みすること)を起こします。
 これが、ふくらはぎのポンプ作用です。

 血液は心臓から送られて、また心臓に戻るという循環を繰り返していますが、下半身は重力の影響を受けて進むため、かなりの負担です。
 そこで、ふくらはぎの筋肉が伸び縮みすることで、血液を上半身へと送り返しているのです。もちろんリンパの流れにも影響します。
足指を使って歩くのと、指をかがめて歩くのとでは、ふくらはぎの筋肉の動きと流れる血液の量も変わってくるのです。
 常に指をかがめている状態だと、ふくらはぎの筋肉が動かされず、緊張したままになります。
 試しに、足指をぎゅっと丸めて歩いてみてください。ふくらはぎが使えずに硬くなっていますよね。
筋肉の動きが悪いと、末端にまで血液がうまく運ばれず、足が冷えてきます。

 立ちっぱなしや座りっぱなしで足が疲れたら、ぜひ足指を伸ばして歩き、冷えとむくみを解消しましょう。
 歩くときは、ふくらはぎをしっかり使うのがポイントですよ。

足 不快な足のしびれが消える!

 なんとなく気になる足のしびれ、「そのうち治るだろう」と放置しているうちに、「しびれ」が「痛み」に変わることもあります。
 しびれがあると「脳や神経の問題では……」と早合点する方も多いのですが、しびれにもさまざまな原因があるんです。
 しびれはあるけど神経には異常がなく、原因不明のために長年悩んでいるという方も多いですね。

 学校教師をされている57歳の女性は、4年前からひざから下が常にしびれて、痛みがあり、姿勢が前傾するほど悪化していました。
 別の病院で、腰や首の神経を診てもらったものの原因がさっぱりわからず、困り果てて来院されました。
 足指は浮き指。5本ともほとんど地面に接していないため、かかとに重心がかかってしまい、バランスを崩していました。
この状態が、しびれを引き起こしていたのです。足裏の接地面積が狭いと重心の位置が崩れ、力みが出てしまい、血流障害を起こします。
 そこで、「ゆびのば体操」を行い、足の血流をよくしてから歩いてもらうと浮き指はずいぶん回復しました。
 4年も続いていたしびれは、3回目の診察のころにはきれいに消え、「これで運動会の練習に参加できます!」と喜んでいただけました。

 足がしびれる方は、特に指をこまめに触って伸ばしてあげてください。
「ゆびのば体操」に加えて、足指でグー・チョキ・パーの動きをするのもオススメです。
 血行がよくなり、次第にしびれは消えていきます。

足 外反母趾の痛みが消える!

 足指の変形は、小さな小指の内反小趾から始まりますが、小指は曲がったり寝てしまっても、あまり痛みが出ません。
 その結果、自覚症状がないことも多いのです。
 それが親指の変形「外反母趾」になってくると、指の付け根に痛みが出てきます。
 出っぱった骨が靴に当たって、さらに痛みが増すこともあります。

 先の細いパンプスを履く女性に多いと思われがちですが、今まで説明してきたように、ビーチサンダルやぞうりなどを履く方にも見られる症状です。
 圧迫された親指の爪まで変形して、巻き爪になり、さらに痛みが増すことも。
 痛みがひどい場合は、外科手術を勧められることもあるでしょう。

 写真は、外反母趾で足の付け根に痛みがあり、来院された男性の足指です。3カ月でずいぶん親指がまっすぐになりました。

足 巻き爪は時間をかければ治る!

 巻き爪は、爪がカーブして足指に食い込んでしまう症状です。
 足が健康であれば、爪はまっすぐに伸びますが、足指に体重がかけられていないと変形を起こし、ひどいと激痛を招きます。
 皮膚科によっては、爪を短く切り、場合によっては爪が生えてこないように根元から爪を除去する手術をすることもあります。
しかし、爪は足指を安定させる大事な役割があり、必要だから生えているもの。簡単に手術するのは反対です。

 みらいクリニックを訪れた58歳の女性は、外反母趾・内反小趾の「棺桶足」で親指の爪が短く、皮膚に食いこんで、痛みのある状態でした。
 この方の問題はまず深爪。足の爪を切りすぎて安定を欠いていたのです。
 爪はそもそも、足指がきちんと地面に接地するために必要なもの。
 なぜなら、足指が地面に着いたとき、爪の圧力で足指の先を押し返し、足先が浮かない(浮き指にならない)ようにしているのです。爪を短くしすぎると、地面を踏んだ圧力を押し返せないために、指が浮いてきます。
浮いた状態で、靴下などで指先を締めつければ、爪は湾曲してきます。
 初診時は、足裏全体にバランスがかかるようまっすぐに立つことと、「ゆびのばソックス」で指を伸ばして歩くこと、深爪せずに少しずつ伸ばし、足指と同じ長さに切ってもらうようアドバイスしました。
 さらに「ゆびのば体操」を続けてもらったところ、約1年で爪はまっすぐに生え変わり、痛みも消えました。
「ゆびのば体操」を行うときは、痛みがあるなら無理に手の指をはさむ必要はありません。痛みの出ない範囲で伸ばしてください。
 根気よく続けていくことで、爪は生まれ変わります。

血流 血圧がぐっと下がり、安定!

 足指を伸ばして、血流が改善した例もあります。
 67歳の女性が、当院に来られたのは半年前。2年前から足がつって歩くのがツラかったのが、「ゆびのば体操」でラクになり、なんと、「念願のグランドキャニオンに登ってきました!」と、満面の笑みで写真を見せてくれました。
 来院当初は、血圧が140を超えていましたが、足指を伸ばし、お腹を引き上げて歩いてもらうと、2週間後には120、1カ月後には110に下がりました。
 この方の場合は、かがみ指が血流障害を引き起こしていました。
姿勢がよくなってラクに歩けることで、運藤量が増え、血圧が安定したのです。

腸 便秘など腸の不調も解消!

 姿勢の悪さは、なんと腸の健康にまで影響してきます。
 背中が丸まったり、骨盤が後ろに傾くと、内臓自体が落ち込んで腸の働きが悪くなります。
 内反小趾だとひざから股関節が外側に広がり、骨盤にも影響します。筋緊張が高まることで腸のぜん動運動が鈍くなって便秘になるという仕組みです。
 足指のゆがみが、まさか腸内環境に影響を及ぼすなんて想像もできないでしょうが、患者さんの中でも「ゆびのば体操」を続けて、すっきり快便になった例が数多く見られます。
 足指を伸ばして、体中の不調を解消したいものですね。

頭~肩 肩こり・頭痛もすっきり!

足指から遠く離れた肩こりや目の疲れ、頭痛も、足指が原因かもしれません。
 小指の変形によるO脚など、脚のゆがみによって、左右の脚の長さに変化が生じ、肩の高さも左右アンバランスに、上がっているほうの方は疲労し、筋肉に炎症を起こします。これが、足指が原因で始まる肩こりです。
 頭痛は肩こりが原因のこともありますが、歩き方が頭痛を引き起こしている場合も。
 足指を使わないかかと着地の歩き方(5章参照)は、足裏のアーチを使って衝撃を吸収しないため、足からの衝撃が頭までダイレクトに伝わり頭痛につながることがあるのです。

頭 口が開かない顎関節症が改善!

「足指とあごに、なんの関係があるの?」
と思われるかもしれません。
 しかし、人間の体というのは、足の先から頭のてっぺんまで、すべてつながっているのです。
 足指が崩れて、姿勢が悪くなり、ねこ背の状態になると、バランスをとるため首は前に出てきます。それに合わせてあごもぐっと前に出るため、あごの関節がずれてきてしまうのです。
口が半分以上開かない、あごが外れやすい、かみ合わせが悪いなどの症状で悩んでいる方は、足元を見直してみてください。

姿勢 ぐ~んと身長が伸びる!

曲がっていた背中がまっすぐになったり、前に倒れていた首がきちんと立ったり、O脚が治れば、当然、身長も伸びます。
 ひざに痛みがあり、背筋も曲がった状態で来院されたのは、熊本の80代の女性です。「ゆびのば体操」を指導した翌月には背筋がしゃきっと伸びて、視線も上がり、身長が伸びたとの報告が。ひざの痛みは消え、歩くスピードが上がったことで、まわりから、「若返ったね!」と、驚かれたそうです。
「くる病」という病気のため、足に先天性の変形があり、まっすぐ歩くことができず、装具をつけて来院した男の子もいました。根気強く「ゆびのば体操」などを続けた結果、2年後、装具なしで走れるまでに! 脚の変形が治ったため、身長が一気に20センチも伸びました。

その他 足が上がるから、転倒しない!

 年配の方の転倒事故はとても多いと聞きます。転んで骨折し、そのまま寝たきりになってしまうなど、悲しいケースもあります。
 私が「ゆびのば体操」を共同開発した保育園でも、園児たちがつまずく、転ぶといった光景がよく見られました。
 足指がかがんで広がっていないと、うまく足を上げることができなくなります。
 さらに、足指がきちんと地面に接地していないと、かかとのほうに重心があるため、バランスが悪く、足元がふらついてしまうのです。
 いくつのなっても、足指を伸ばしてしっかりと立つことができれば、つまずいたり、転んだりすることは減っていくでしょう。

金メダリストも
「ゆびのば」効果を実感!

 モントリオール五輪・体操(団体)で金メダルを獲得した五十嵐久人さん(67)も、「ゆびのば」体験者のひとりです。
 五十嵐さんは、選手引退後も新潟大学で運動指導をし、今は国際大学スポーツ連盟の理事を務めている。スポーツ界のプロフェッショナル。そんな五十嵐さんでも、足指の健康には気づかなかったそうです。
 「2016年12月のランニング中に、20年前から悩んでいた腰痛が悪化。整形外科に駆け込んだものの、医師からは『脊柱管狭窄症ですね』との診断で、根本的な治療はないと言われました」と五十嵐さんは言います。
 痛み止めの注射にくわえ、朝昼晩の3回薬を飲むものの、左足首の痛みと左ももの重苦しいしびれがあり、その場に5分も立っていることができず、10メートル歩くこともままならなかったそう。そんな不自由な状態は、1年以上続きました。
 「2018年7月に、知人の紹介で今井先生とお会いしました。先生は足指を見て『これが原因かもしれませんね』と言うんです。それから、“ゆびのばソックス”を毎日履いてみました」
 激変したのはそれから。すたすた歩けるようになったのです。
「ソックスを履いて1カ月半になりますが、今では毎日2時間ほど散歩しています。痛みとしびれもなくなりました。来月末には片道8時間の登山にチャレンジする予定です」
 歩くためには、筋肉を鍛えるよりもまず足指を整えることが大切と、五十嵐さんの体験は教えてくれますね。

ゆびのば体操について詳しく知りたい方は公式サイト
ゆびのば体操A3ポスター