童謡伝道マガジン「ふんふん」H・U・N企画

今月の童謡

2019.7.2新着今月の童謡


井上赳 下総皖一
一 蛍のやどは川ばた楊
楊おぼろに夕やみ寄せて
川のめだかが夢見る頃は
ほ、ほ、ほたるが灯をともす

二 川風そよぐ、楊もそよぐ
そよぐ楊に蛍がゆれて
山の三日月隠れる頃は
ほ、ほ、ほたるが飛んで出る

三 川原のおもは五月(さつき)の闇夜
かなたこなたに友よび集い
むれて蛍の大まり小まり
ほ、ほ、ほたるが飛んで行く

  作詞の井上赳(たけし)は島根県出身の文部省教科書編集委員として、1930年『小学国語読本』(サクラ読本)を編集、当時の唱歌は国語読本と密接な関係があり、作詞も手がけました。
 『蛍』のほかに、『花火』『電車ごっこ』なども書いています。
 作曲の下総皖一(かんいち)は埼玉県出身の作曲・音楽教育者として、1940年文部省教科書編集委員となり、『蛍』のほかに、『野菊』『たなばたさま』『夕焼小焼』『電車ごっこ』なども作曲しています。
 日本にいる光る蛍の代表的な種類は、「ヘイケホタル」と「ゲンジボタル」。江戸時代にも蛍は一般的にいた文献があります。弱めの光を細切れに放つ「ヘイケホタル」は全国に生息。明るく長めに光る「ゲンジボタル」は、本州から九州の方が生息地です。
 綺麗な川の横の草に産みつけられた卵が孵化すると、幼虫は川の底へ行き、小さなカワニナ(巻貝)を食べ成長します。成虫になると食事はとらず、約2週間ほどで短い寿命を終えます。
 その2週間は、一生懸命オシリを光らせてパートナーを探し、光り方の違いで雄と雌を見分けます。相手が見つかると交尾し、産卵が終わる頃、その一生を終えます。蛍が光ることのできる短い間は、蛍の一生の最後の光というわけです。
 私はこの話を聞いて蛍を捕獲することを控えました。一番大事な時に籠に入れては申し訳ないと思ったからです。


今月の童謡を皆さんで歌ってください。園、学校、グループでの歌唱、演奏の様子を映像で送っていただけますでしょうか

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